『POP』と『IMAP』は受信手段 『SMTP』は送信手段
メールアドレス取得後に行われる、恐怖のメールソフト(メールアプリ)アカウント設定。
横文字(アルファベット)という悪魔があなたを待ち受けています。しかし恐れることはありません。
なぜなら悪魔は『POP』『IMAP』『SMTP』の3人しかおらず、受信手段と送信手段という2つのグループにまとめることができるからです。
『POP』と『IMAP』は受信手段と呼ばれるグループに所属しており、『SMTP』だけ送信手段と呼ばれるグループに所属しています。
メールは、友達などのメールを受信したり、自分から友達にメールを送信したりするものです。
イメージとしては、友達からの手紙はヤマトまたは佐川急便のどちらかから選択することができます。
一方自分が友達にメールを出すときは日本郵便の選択肢しかないといった感じになるでしょうか。
サーバー名は宅配業者名のイメージ
メールアドレスを取得すると、そのメールアドレスを発行してくれた運営者のWebサイトにてサーバー名を閲覧することができます。
POPサーバー、IMAPサーバー、SMTPサーバーの3種類。POPサーバーとIMAPサーバーには、友達などから送られてきたメールが保管されます。
一方SMTPサーバーには、あなたが友達などの送信したメールが保管されます。これらサーバー名が宅配業者名のイメージです。
商品を購入するときに宅配業者を選択するかと思いますが、メールソフト(メールアプリ)のアカウント設定でもそれと同じことをします。
『POP』と『IMAP』の違い
取得したメールアドレスによって受信手段の選択肢がある場合とない場合がある
先ほど、メールを受信するときには『POP』と『IMAP』2種類の受信手段から選択できることをご説明しました。
しかし実は、取得したメール(ドメイン名)によって、『POP』と『IMAP』両方に対応しているメールと、『POP』だけ対応のメールと、『IMAP』だけ対応のメールと3種類に分かれます。
例えば、Googleが運営するメールアドレスgmailは、『POP』と『IMAP』両方ともに対応しています。そのため受信方式の選択肢があります。
一方Appleが運営するiCloudメールは、『IMAP』にしか対応していませんので、受信手段に選択肢がありません。
『POP』は1台の端末だけでメールを閲覧する方向け
受信方式の一つである『POP』は、メールをPOPサーバーからあなたのデジタル端末にダウンロードすることでメールを見たり削除したりの管理を行います。
スマホでメールをチェックするのであれば、受信されたメールや送信されたメールは全てそのスマホの中に保存されます。
メリットは、メール閲覧に使うデジタルデバイスの容量が許す限りメールを保存しておくことができるところ。
そして一度ダウンロードしてしまえば、インターネットに接続されていない環境であってもメールの閲覧ができるところになります。
デメリットは、1つのデジタルデバイスにダウンロードする管理方法なので、複数のデジタルデバイスでの使い勝手が悪くなるところ。
例えばスマホにメールをダウンロードした場合、POPサーバー(メール保管箱)にもメールを残したままにするのか、ダウンロードと同時に削除するのか選択できます。
もしくはダウンロードから一定期間経過後、自動でPOPサーバーから削除するような設定も可能です。
ダウンロードと同時に削除、および、ダウンロード後一定期間経過で削除を選択するメリットは、サーバーの容量を圧迫しなくて済むところ。
自動で削除するような設定にしておかなければ、POPサーバーの容量を超えてしまったときにいちいちメールを削除しなければ、新しいメールを受信できません。
『POP』のこのような仕組みから、複数のデジタルデバイスでメールの閲覧を行った場合に、未読、既読、削除などの状態が、各デバイスで共有されません。
そのためスマホですでに既読済みなはずのメールを、家に帰ってタブレットでメール閲覧したときに同じメールを閲覧することになります。
このように、1台の端末でメールの管理を行う場合にはいろいろメリットだらけの『POP』ですが、複数の端末でメール管理を行う場合は不便です。
『IMAP』は複数の端末でメールを閲覧する方向け
今では、スマホ・タブレット・パソコンなど、様々な端末でインターネットすることができるようになりました。
ゲーム機やテレビなんかからもインターネット接続することができる時代です。メールを閲覧するデジタルデバイスが1台では無くなってしまったのです。
そこで登場するのがもう一つの受信手段・『IMAP』。『IMAP』は『POP』と異なり、端末にメールをダウンロードしません。
IMAPサーバー内に存在するメールを遠隔操作するイメージ。
そのため、スマホでIMAPサーバーを遠隔操作しようが、タブレットで遠隔操作使用が、パソコンからIMAPサーバーを遠隔操作しようが同じこと。
『IMAP』なら、未読、既読、削除などの状態が、各デバイスで共有されるのです。
デメリットは、メールがIMAPサーバーに溜まり続けていくところ。定期的にメールをIMAPサーバーから削除しなければ、いつかいっぱいになり新しいメールを受信できなくなってしまいます。
『POP』と『IMAP』比較表
POP | IMAP | |
メリット | ・端末の容量が許す限りメールを保存できる ・ダウンロードと同時、もしくは一定時間経過後に自動でサーバーからメールを削除できる ・ダウンロード済みのメールはインターネット未接続状態でも閲覧できる | 複数の端末で未読、既読、削除などの状態が共有されなる |
デメリット | 複数の端末でもメール管理できるが、未読、既読、削除などの状態が共有されない | ・インターネットに接続されていないとメール管理できない ・メール容量を圧迫する恐れがあるので定期的にサーバーからメール削除する必要がある |