高画質(リアル)とは!?テレビ モニターに重要な5つの要素

 高画質。映像の質(クオリティ)を決める要素についてご紹介します。

映画やドラマなどを作った方々が見せたい映像を忠実に再現できるのかどうかがポイントになります。

製作者が見せたい映像とは、私たちが見る現実世界に近い、もしくは同クラスの映像です。それを再現できるテレビ・モニターが高画質と言われます。



高画質を実現する5つの要素

高画質を実現する5つの要素

イメージ1:高画質を実現する5つの要素

 映像の画質を左右する要素は、上の画像にある通り、5つの要素が重要だと言われています。

①解像度、②ビット深度、③フレームレート(リフレッシュレート)、④色域、⑤輝度の5つです。

5つの要素を頂点に、画質の良し悪しを五角形で表した場合、五角形の面積が狭いほど低画質で、広いほどに高画質ということになります。

そして高画質化が進むと、表現できる情報量が増加していきますので、いつか人の眼が視認できる範囲に到達します。

映像コンテンツと、それを表示するテレビ・モニターなどのデバイスが、人の眼が視認できる範囲に到達すると、現実世界と空想の差が認識できなくなります。

解像度は映像のきめ細やかさ

解像度の違いをイメージ化

イメージ2:解像度の違いをイメージ化

 映像は、実は正方形の集合体です。この正方形の単位はピクセルと言います。テレビ画面にぴったりくっついてみると、なんとなく輪郭がプツプツしているのを確認できると思います。

2K(フルHD)4K8Kとは、テレビやモニターの映像が、正方形幾つが寄り集まって構成されているのかを知るためのものです。

横のピクセル×縦のピクセルのことを解像度と言います。

2K(フルHD)は1920×1080、4Kは3840×2160、8Kは7680×4320です。数字はそれぞれ、正方形(ピクセル)を横に並べた数×縦に並べた数。

2Kは正方形を横に1920個、縦に1080個、4Kは横に3840個、縦に2160個、8Kは横に7680個、縦に4320個並べて映像が作られていることになります。

上のひまわりのようなイラストは、2K4K8Kの映像をそれぞれ、200インチ以上の大大大テレビに映し出したところをイメージ化しました。

200インチもの大画面ともなると、横のサイズは約440cm(4.4m)もの大きさになります。

440cmを横のピクセル数で割ると、1つの正方形(ピクセル)が何センチに拡大表示されているかが分かります。

2K(フルHD)は約0.23cm(2.3mm)、4Kは約0.11cm(1.1mm)、8Kは0.057cm(0.57mm)です。

8Kですら200インチの画面では円の輪郭がぼやけてしまいます。

2K(フルHD)では正方形(ピクセル)一つ一つが2.3mmもの大きさに拡大されていますので、輪郭がぼやけるどころか角ばって見えます。

実際には、200インチもの市販のテレビは販売されていませんが、80インチクラスのものは既に販売されています。

テレビ・モニターのサイズが大きくなればなるほど、2K(フルHD)の解像度では映像の粗が目につくようになります。

逆にテレビ・モニターのサイズが小さくなればなるほどに、8Kの解像度だときめ細やかさが増します。過剰な性能と言い換えることもできるでしょうか。

65、55、49、43インチ、大きいサイズのテレビ・モニターが増えつつありますが、2Kより4K4Kより8Kの方がきめ細やかな映像だということがわかるかと思います。

ビット深度はグラデーションの滑らかさ

グラデーションの違いをイメージ化

イメージ3:グラデーションの違いをイメージ化

 ビット深度とは、正方形1つ(1ピクセル)が表示できる色の数のことです。今までのフルHDテレビ・モニターは、表示できる色が約1677万色でした。

約1677万色が人の眼で認識できる限界の数だと思われていましたが、人は機械ではありませんので、約1677万色では十分なところと、そうでないところがありました。

それがグラデーションの表現力です。テレビ・モニターに映し出される色合いは、3つの色が元になって作られています。

赤・青・緑の三色です。この三色を混ぜ合わせることで様々な色を作り出すことができますが、8bitの場合、赤・青・緑それぞれを暗い色から明るい色まで256階調に表現できます。

赤256階調・青256階調・緑256階調ですので、それぞれを混ぜ合わせると全部で(256×256×256)約1677万色になるのです。

ということは、同じ赤色で構成される夕日、同じ青色で構成される海、同じ緑色で構成される森林など、自然が織りなす美しいグラデーションは、256種類の色でしか表現できないことになります。

厳密に言えば、同じ色だけでグラデーションができるわけではありませんが、もし同じような色が連続している場合にはそういうことが起きるということです。

しかし人の眼は、256階調以上の色の差を区別できてしまうのです。上の画像はわかりやすくするために大袈裟に滑らかではない色表現をしていますが、それと近い表現がなされてしまうこともあり得るということです。

であれば単純に赤・青・緑それぞれの色を、暗い色から明るい色まで1024階調に増やしてしまえば良いということで、10bit・約10億7374万色のテレビ・モニターも開発されるようになりました。

約10億7374万色もあると、人の眼では認識できない色の差もあるかと思いますが、約1677万色では美しく表現できなかったグラデーションでも、約10億7374万色ならほぼ確実に美しいグラデーション表現が可能となります。

フレームレートは動きの滑らかさ

フレームレートの違いをイメージ化

イメージ4:フレームレートの違いをイメージ化

 私たちが見ている映像はパラパラ漫画と一緒です。たくさんの静止画を高速で切り替えることで映像に仕上げています。

フレームレートとは、1秒間に何枚の静止画を描画できるのかを示しています。24pなら1秒間に24コマ、30pは1秒間に30コマ、60pは1秒間に60コマの静止画を描画できます。

地デジ放送やBlu-rayなどが1秒間に○○コマ描画した映像を、テレビ・モニターが受け取り、1秒間に○○コマ映像を切り替えることができるかどうかをリフレッシュレートと言います。

映画とアニメは24pで作られており、その他の地デジ放送は60iで作られています。60iは、60pと違います。60iは実質30pです。

iとpの違いをイメージ化

イメージ5:iとpの違いをイメージ化

簡単にご説明しますと、60iは静止画を半分づつ交互に、1秒間に30コマ切り替えています。

半分づつ交互に切り替えているので、1秒間に30コマなのに半分はまるで60コマのような映像に仕上がります。

上のイラストではわかりやすく4分割にして交互に切り替えていますが、実際には、2Kなら縦1080行ありますので、奇数540行と偶数540行にわけて切り替えています。

ですから60iは、実質1秒間に30コマしか切り替えていません。なので30pと60iは同じです。

このように映像はパラパラ漫画と同じように作られていますので、1秒間に切り替えることのできるコマ数が増えるほどに現実世界に近い動きを再現できるようになります。

色域は色鮮やかさ

色域とビット深度の違いをイメージ化

イメージ6:色域とビット深度の違いをイメージ化

  上の画像は、色域とビット深度(色深度)の違いをイメージ化したものです。

 ビット深度は、1つの正方形(1ピクセル)の色を、深く掘り下げることで色の違いを表現します。

どのように掘り下げるのかというと、白→黒、明るい緑→暗い緑、明るい青→暗い青、明るい赤→暗い赤といったようにです。

例えば緑の場合、緑色の量はそのままに、明るさ(白)の量を増やせば明るい緑色になります。暗さ(黒)の量を増やせば暗い緑色が出来上がります。

このように、明るさ(白)の量と暗さ(黒)の量を測る軽量スプーンの大きさがビット深度になります。

明るさ(白)の最大量と暗さ(黒)の最大量に対して、256分の1サイズの軽量スプーンを用いているのがの8bit。

明るさ(白)の最大量と暗さ(黒)の最大量に対して、1024分の1サイズの軽量スプーンを用いているのがの10bitです。

上の画像では、逆U字型の筒状のものが絵ががれていますが、側面部分を256または1024分割することで、緑・青・赤色の明るさと暗さを調節します。

 それとは別に色域という概念も存在します。上の画像では、逆U字型した天面部分が色域にあたります。

逆U字型全体が、人が認識できる色の範囲なのだそうです。それに対して色域とは三角形の部分を言います。

三角形の形・色域とは、表現可能な色の範囲のことです。

ビット深度では、緑色の量はそのままに、白または黒の量を調節することで明るい色と暗い色を表現していました。

色域では、緑色の量を増減することで、緑と黒と白の割合を調節します。すると緑色が、鮮やかな緑→あわい緑と種類が増加します。

三角形の形をした色域の面積が広ければ広いほど色鮮やかな色まで表現可能です。

輝度とは明るさの度合い / SDR・HDRとは暗さから明るさまでの幅

『sRGB/SDR/8bit』と『Rec.2020/HDR/10bit』の違いをイメージ化

イメージ7:『sRGB/SDR/8bit』と『Rec.2020/HDR/10bit』の違いをイメージ化

 上のイラストは、イメージ6から、「sRGB」の三角形(色域/色の範囲)と「Rec.2020」の三角形(色域/色の範囲)の2つの大きさで、三角柱の形にくりぬいたものです。

イラスト側面部分は輝度を表しています。底面部分が暗い色になっているかと思いますが、暗い色から明るい色までの差(幅)のことをダイナミックレンジと言います。

左のイラストは、輝度の幅の広さが標準的な広さなのでスタンダード・ダイナミック・レンジ。頭文字をとって『SDR』です。

右のイラストは、輝度の幅の広さがとても広いのでハイ・ダイナミック・レンジ。頭文字をとって『HDR』です。

イラストでは4倍の差をつけていますので、「sRGB」の方の側面・輝度250cd/m2 だとしたら、「Rec.2020」の輝度は 1000cd/m2 ということになります。

おおよそですが、300cd/m2 未満のテレビ・モニターはHDR非対応(SDR)で、300cd/m2 以上は『HDR』対応のテレビ・モニターになります。

イラストでは極端に表現していますが、『SDR』は輝度の幅が狭いので、真っ黒な表現ととても明るい表現が苦手。

HDR非対応とHDR対応の暗がりの視認性イメージ

イメージ8:HDR非対応とHDR対応の暗がりの視認性イメージ

そのため色の差が少なく、暗いシーンでは黒で塗りつぶされたような表現になり、明るいシーンでは白飛びしたような表現になります。視認性が悪いのです。

それに比べて『HDR』は、色の差が広いので、暗いシーンでも明るいシーンでも視認性が高いです。

色域・輝度・ビット深度の関係性

 色域とは色の範囲です。色の彩度といって良いかと思います。印象の強い鮮やかな色から、あわい色まで、範囲の広い「Rec.2020」という名の色域もあれば、それよりも範囲の狭い「sRGB」という名の色域もあります。

この色域に、輝度(明るさの度合い)に差をつけることで、様々な大きさの色の三角柱を作ります。

色域×輝度はマンションに例えるとわかりやすいかと思います。

色域が広く、輝度に優れている方がマンションの空間が広く、色域が狭く、輝度に劣っていると空間が狭くなるということです。

その色域×輝度でできたマンションの空間に、幾つの部屋を作るかというのがビット深度の部分になります。

ただし実際のマンションと異なり、部屋数が多く、一部屋人部屋が狭い方が、私たち利用者にとっては喜ばしいと言えます。

空間を細分化すればするほど、色の数が増え、グラデーションが滑らかかつきめ細やかになるからです。

そして色域×輝度でできる空間が広ければ広いほど、あわい色から鮮やかな色まで表現できます。

4K 8K衛星放送の高画質化とテレビ・モニターの高画質化

2019年現在におけるテレビ・モニターの高画質化進捗状況

イメージ9:2019年現在におけるテレビ・モニターの高画質化進捗状況

 HDR国際規格は、4Kや8Kの衛星放送の画質になります。8Kは赤い枠、4Kはオレンジの枠になります。

それら高画質放送に対して、テレビやモニターがどの程度その高画質に追いついているのかをピンク色で塗ってみました。

結論としては、ハイエンドテレビであれば「BT.2100」の4K/HDRの高画質をそのまま出力できるほどに高性能です。

安い4Kの場合、解像度だけが4Kで、HDR非対応だったり、色域が狭かったり、「BT.2100」の4K/HDR放送を劣化させて出力せざるを得ない製品もまだあります。