通信速度が違う
通信速度とは、どれくらいの速度でデータのやりとりができるかを示す数値のことを言います。
データとは、動画や音楽、画像やメール・LINE・ウェブサイトなどの文字情報などのことです。
通信速度が遅いと、動画鑑賞中に映像が何度も止まってしまったり、画像をなかなかダウンロードできなくてウェブサイトがすぐに開かなくてイライラしたりします。
データは「ビット」という単位で量が数値化されています。
光回線の理論上の通信速度は1Gbps。1秒間に10億ビットものデータを伝送できます。
一方ADSL回線は50Mbps。1秒間に5千万ビットのデータしか伝送できません。1Gbpsの20分の1の速度。
回線(ケーブル)の種類が違う
光回線とADSL回線。名前が違いますので、使われているケーブルの種類が異なります。
ADSL回線には「電話線」が使われています。素材には銅が使われているので「銅線」とも呼ばれます。
一方光回線には「光ファイバー」が使われています。「光ファイバー」は光を伝えることのできる素材です。
光は私たちの世界で最もスピードの速い電磁波です。光の速さで動画や画像などのデータが送られてくるわけですから、通信速度が速いわけです。
通信の安定性が違う
ADSL回線は電話線を利用したサービスなので、電話回線を収容しているNTT交換局を経由してインターネットのサービスが提供されます。
安定性についてですが、NTT交換局からADSL回線を利用する場所までの距離によって、様々な外部干渉を受けて通信速度が低下します。
しかも、NTT交換局からADSL回線利用場所までの距離が遠くなればなるほどに、通信速度が遅くなるのです。
もともと50Mbpsと通信速度はかなり遅いですが、NTT交換局から2.5kmも離れると、おおよそ12Mbpsに低下すると言われています。
一方光回線は光の特性を利用する伝送方式のため、外部干渉を受けにくく、長距離であっても通信速度が低下しにくいことが特徴です。
一人向けか家族向けの違い
実はADSL回線であっても、通信環境が安定していれば、動画を快適に鑑賞することは可能です。理論上、動画鑑賞も快適にできる通信速度があります。
動画配信サービスのウェブサイトを見ていただくとわかるのですが、スマホで動画鑑賞するには通信速度が約3Mbps必要と記載されています。
テレビサイズだと約6Mbps、4K動画だと約24Mbpsです。ADSL回線の通信速度は50Mbpsありますので、ADSL回線でも快適なインターネット環境だということになります。
しかしほとんどの方が、ADSL回線では快適なインターネット環境を構築できません。理由は2つあります。
ます一つ目の理由は、NTT交換局からの距離です。たまたまNTT交換局の近所に住んでいる方は良いのですが、1km以内にお住まいの運の良い方はほとんどいません。
もう一つの理由は通信機器の増加です。NTT交換局から2.5km離れた場所にお住まいの方を通信速度12Mbpsと仮定してご説明したいと思います。
スマホでゲームアプリを自動的に動かしたがら(推奨通信速度5Mbps)、テレビで動画配信サービス(推奨通信速度6Mbps)を鑑賞していたらどうでしょう。
スマホとテレビという2つの通信機器を同時に活用している日常的な光景です。推奨される通信速度を合わせると、5Mbps+6Mbpsなので11Mbpsです。
NTT交換局から2.5km離れた場所にお住まいがありますので、通信速度最大12Mbpsと固定して考えたら、もういっぱいいっぱいです。
もちろん、使う時間帯などによっては12Mbps以上の通信速度を出すこともありますのでしょうが、それは動画配信もゲームも同じです。
推奨されているのが約5Mbpsというだけで、常に5Mbpsであれば快適に映画鑑賞したりゲームできるわけではありません。
スマホでメールやLINEしかしない方でない限り、ADSL回線では、1人暮らしの方ですらギリギリです。
一方光回線はどうでしょう。スマホ1台でゲーム、テレビ1台で動画鑑賞しても通信速度は11Mbpsしか使っていませんので、1Gbps(1000Mbps)から引いても、残り989Mbpsの余裕があります。
距離による外部干渉の恐れもほとんどありませんし、光回線であれば常に快適なインターネット環境で、家族みんなが様々なエンタメを楽しめそうです。
ADSL回線では、家族はもちろん、1人暮らしであっても、利用するサービスによって、通信が安定しません。
普及率が違う
ADSL回線より光回線の方が新しいサービスなので、光回線が導入されたばかりの頃は当然ADSL回線の方が普及されていました。
しかし現在は光回線の普及率の方が圧倒的に高く、ADSL回線はほとんど使われていません。
終了するサービスか進展するサービスかの違い
インターネットの光回線は、これからも継続・進展していくサービスですが、ADSL回線は、年々減少し、今現在はほとんど利用者がいません。
そのためADSL回線のインターネットサービスは、数年のうちにサービス終了することが決まっています。
「フレッツ・ADSL」は2023年1月末まで、「Yahoo! BB ADSL」は2024年3月末まででサービスが終了します。
ADSL回線は電話回線を利用していますが、2024年1月から順次、電話回線から光回線を利用するIP電話サービスに移行されます。
2025年1月末には電話回線そのものが無くなるのです。
ちなみに、今現在「NTT固定電話」ご利用の方は、何の手続きも、工事も、電話機の変更も、何もする必要はありません。自動で切り替わります。
なので、「アナログ回線から光回線への切り替えが決定したので、NTT固定電話から光電話に変更の必要がある」との電話勧誘は、一部嘘になるのでご注意を。
「アナログ回線から光回線への切り替えは決定」しましたが、後半の「NTT固定電話から光電話に変更の必要がある」が嘘になります。
すでに言ったように、変更の必要はなく、何もしなくても自動で切り替わります。
もちろん、ご自身の意思で、NTTの光電話からauやnuroなどの光電話に切り替えるのは良いかと思います。
ほぼ同じところは料金だけ
ADSL回線は通信速度を選択できます。理論的な最大速度は50Mbpsですが、それより遅い速度を契約すると、毎月の費用がそれだけ安くなります。
一方光回線の理論的通信速度は、最低の速度が1Gbps(1000Mbps)になります。2Gbpsのところもありますし、一部のエリアで5Gbpsや10Gbpsもの通信速度のサービスも提供されています。
速度が同じではないので比べるのもおかしいですが、光回線の最低速度1Gbps(1000Mbps)サービスと、ADSL回線の最大速度50Mbpsサービスは、毎月の費用がほぼ同じです。
光回線の速度は20倍も速いのに、価格は変わりないのです。ですから、ADSL回線の50Mbpsを契約しているのなら、断然光回線に乗り換えた方がお得です。
メールやLINEしかしないとか、ウェブサイトの閲覧とかしかしないといった方で、5Gbps以下のADSL回線を利用する方だけは、毎月の費用を抑えられますし、通信環境にストレスを感じることはないかと思います。
ただし、すでにご紹介した通りADSL回線は終了するサービスですので、新規の受付を中止しているエリアもあります。
また、数年後には光回線に切り替える必要がありますのでご注意を。