今や日本の7割近くの人が持っているスマートフォン(以下スマホ)。
スマホを通信機器として使えるようにするには、SIMカードという小さなカードを装着するか、自宅などのWi-Fiを使う必要があります。
当記事ではそのSIMカードについて、必要性や種類を解説していきます。
Wi-Fiについては別途ページで説明していますので、気になる方はそちらもご覧いただければ幸いです。
SIMカードの役割
SIMカードの役割は主に以下の2つ。
- 契約者情報を記録
- 携帯電話会社の回線を利用できるようにする
契約者情報を記録
契約者情報とは主に「識別番号」「電話番号」です。
携帯電話会社から専用のメールアドレスが付与される場合には、そのメールアドレス情報が記録されていることもあります。
携帯電話会社の回線を利用できるようにする
契約内容にもよりますが、音声通話SIMカードであれば通話ができるようになりますし、外出先でもインターネットに接続することができるようになります。※もちろん電波が届かないところでは使えません
SIMカードがあれば移行が簡単
契約者情報が記録されているので、SIMカードを別のスマホに装着しても同じ電話番号のまま使えたり、面倒な手続きをしなくても古いスマホと同じようにモバイルデータ通信が行えるということになります。
逆にSIMカードがなければ電話番号(090、080、070~)を使った通話はできません。モバイルデータ通信もできなくなるので、Wi-Fi接続で別の機器を経由してインターネットに繋げるなどの工夫が必要になります。
ただし、SIMロックされているスマホでは、SIMカードを入れても使えないことがあります。(例:docomoで買った端末にauのSIMカードを入れたときなど)
SIMフリー・SIMロックがどんなものなのかについては以下ページを参照してください。
携帯電話会社と契約すると貸与される
SIMカード(SIMデータ)は携帯電話会社と契約すると必ず貸与(配布)されます。
基本的には1つのスマホにつき1枚あればOK。
2台目もSIMカードを入れ替える手間なく使いたい場合や、電話番号を複数持ちたい場合には必要な枚数をお好みで契約してください。
また、購入するだけで一時的に使える使い捨てSIMカードもありますが、当記事での説明は割愛します。
SIMカードの種類
いざ契約しよう!と思い手続きを進めていると、格安SIMなどのサイトでSIMカードの種類はどうするか聞かれることがあります。
選択できるSIMカードは大きく分けて下の2種類です。
- 音声通話SIM
- データSIM
音声通話SIM
音声通話SIMはその名前の通り、電話ができるSIMです。
電話のみ使用できるSIMはなく、音声通話SIMは基本的にデータ通信とセット。
インターネットは使わない、という場合にはデータ通信の量が一番低いものを選ぶと安くすむでしょう。(1GBなど。〇〇MBというものがあればMBの方がより少ない量になります)
データSIM
データSIMは音声通話がなく、電話番号が付与されませんが、同じデータ通信料でも電話ができない分安くなっています。
SMS(ショートメール)も電話番号を使った機能なので利用できません。
※会社によってはオプションでSMSをつけられることもあります。
公私ともに電話を全く使わない、アプリの通話で済ませることが多いという方向け。
スマホ用SIMカードのサイズ
SIMカードには様々な大きさがあります。
名称(形状) | 特徴 |
---|---|
マルチカットSIM | スマホに合わせてMini、Micro、Nanoのサイズにカットして使うことのできる形状。 どのサイズにも合わせられるようになっているため、SIMカードのサイズがわからないときは安心だが、Micro / Nanoサイズにする場合は手間がかかる。 |
Mini SIM | 標準SIM。古めのスマートフォンで使用されることが多く、新しいスマホには搭載されることはまずない。 |
Micro SIM | 少なくはなってきているが、いまでも使われることがあるサイズ。 |
Nano SIM | 2021年2月現在主流となっているサイズ。 Micro SIMと間違えやすいので注意。 |
eSIM | 日本でも2020年頃から徐々に普及し始めた新しいSIMカード。 最新のiPhoneなどがeSIMを搭載している。 端末に内蔵されているSIMカードで取り外せないが、記録されているデータの書き換えができる。 カードを入れ替える手間がない。 間違ってデータを初期化すると再発行が必要なので注意。 |
スマホに合わせてカードを選択しないと装着することができないので、手続きでサイズ選択する際は気を付けてください。
また、スマホを変える場合、現在あるSIMカードに対応しているスマホを選ぶか、新スマホに合ったサイズのSIMカードに変更してもらう必要があります。
※SIMカードがもともとカットできる種類でない場合、SIMカードを切って使うと会社によっては返却時に損害金が発生することがあります。
※小さいサイズから大きいサイズにしなければならない場合、変換アダプタがあれば使えることもあります。
SIMカードは必要か?
電話を使う人、外出先でインターネットを使用する人は必要
電話を仕事で使う場合やSMS(ショートメール)を使う場合、スマホで固定電話から電話を受けたい場合など、電話番号が欲しい人はSIMカードが必要です。
また、モバイルWi-Fiルーター(WiMAXやポケットWi-Fiなど)を持っていない人で、外出先でもインターネットを使いたい人も必要でしょう。
Wi-Fi通信オンリーの場合は不要なことも
自宅では光回線とWi-Fiルーターを使用したWi-Fi通信を使い、外出先ではモバイルWi-Fiルーター&Wi-Fiスポットで使用し、さらに電話を使わない(アプリの通話で済ませてしまう)場合、SIMカードがなくてもWi-Fiに対応したスマホさえあれば問題ありません。
1台目をSIMカードつきで使用し、2台目はWi-Fi通信のみで使っているという方も多いのではないでしょうか。
解約後のSIMカードは返却、または破棄をする
返却方法を携帯会社に確認
eSIMに移行したり解約したりして不要になったSIMカードが出たら、そのカードは契約していた会社の指示に従って返却をしてください。(送り返すための郵送セットをくれる会社もあります)
SIMカードを「レンタル」という方式で配布している場合が多く、返却しないと損害金がかかることもあるので注意が必要です。
返却不要の場合、そのまま捨ててはダメ!
前述の通り、SIMカードには契約者情報が記録されています。
もちろんモバイルデータ通信や電話は解約後使えなくなりますが、記録されているデータがまるまる消えるわけではありません。
そのまま捨ててたまたま悪意のある人に拾われてしまったら、電話番号などの情報が方々に漏れてしまう可能性があります。
自分で破棄をするように指示を受けたら、ICチップの部分をしっかりとハサミなどで数回切断し破棄するようにしてください。
eSIMスマホを手放す場合も初期化をしておく
eSIMから別のeSIMやNanoSIMなどへ変更し、元のスマホを破棄・売却する予定がある場合、eSIMの初期化もきちんと行わないと情報が漏洩してしまいます。
端末によってはスマホの初期化時に、eSIMの初期化をするかの選択がでるようですが、不安な方はeSIMの初期化を行ったのちにスマホ自体の初期化をするとよいでしょう。