再起動・再接続する
光回線のWi-FiルーターやONUの電源を一度切って入れなおすだけで、インターネットの通信速度が改善することがあります。
ONUとはあなたのPCやスマホからのデジタル的な要求を、光信号に翻訳する装置です。一方ルーターは、あなたとお父さんとお母さんがスマホから同時にデジタル的な要求を行った際に交通整理してくれる装置です。
交通渋滞と同じで、1台の車が流れを止めてしまうと後続の車も流れを止めます。流れが止まっていない車線に車は流れていきますが、1車線がつぶれたことで他の車線の密度が増加します。つまりほかの車線の流れが止まってしまうことも時間の問題です。
その後、流れを止めたきっかけである車が動き出したとしても、まるで玉突き事故のように後続する車の流れを次々に止めていきます。
しかしインターネットは高速道路と違ってリセット可能です。つまり光回線のWi-FiルーターやONUの電源を入れなおすことで、強制的に交通渋滞を解消することができるのです。
Wi-Fiルーターの置き場を変更する
光回線のWi-Fiルーターを置いている場所を変えるだけで、インターネットの通信速度が改善することがあります。
Wi-Fiルーターはワイヤレス通信を可能とします。しかしWi-FiルーターとPC、テレビ、スマホなどの間に障害物があったり、電波障害を引き起こす場所が間に合ったり、遠かったりすることで、インターネット通信の速度が低下するのです。
Wi-Fiルーターを置く場所として理想的な場所は、家の中の中心であり、テレビなどの重要な通信機器との間に、家具などの障害物や、水場・電子レンジなどの電波障害を与える場所がないポイントです。物陰に隠れた場所にWi-Fiルーターを設置している場合には、見える場所に移動させるだけでもだいぶ通信速度が変わってきます。
アップデートする
PCやスマホのアップデートを怠っている場合には、アップデートを行うだけでインターネットの通信速度が改善することがあります。
PCやスマホのアップデートは車でいう車検などのメンテナンスと同じ。OSやそのほかのアップデートの中身には、インターネット通信の速度を最適化する処理が含まれている場合があるのです。PCやスマホも車と同じように、アップデートという形でメンテナンスを行いましょう。
Wi-Fiルーターを買い替える
古いWi-Fiルーターを使っている場合には、Wi-Fiルーターを買い替えるだけでインターネットの通信速度が改善することがあります。
ゲーマーでない限り、インターネットを管理するプロバイダーからレンタルするWi-Fiルーターを使っていると思います。しかし実はこのWi-Fiルーターは2~3年、遅くても5年もすれば性能が変わっています。
5年以上前に光回線A社と契約した場合と、最近光回線A社と契約した場合と、貸し出されるWi-Fiルーターの性能が異なるのです。
- Wi-Fi 6:802.11 ax 2022年ころから主流に
- Wi-Fi 5:802.11 ac 2019年ころから主流に
- Wi-Fi 4:802.11 n 2018年までの主流
上の3つのリストはWi-Fiの規格です。皆さんご存じの通りWi-Fi 4よりもWi-Fi 5、Wi-Fi 5よりもWi-Fi 6の方が高速通信可能です。2023年から5年前、つまり2018年以降に光回線の契約をした人は、Wi-Fiルーターが古いことが原因でインターネット通信速度が遅い可能性が高いといえます。
2019年ころからは802.11 nと802.11 ac、2つの規格を活用したWi-Fi 5が主流となりました。今現在はそれよりもさらに高速ワイヤレス通信可能なWi-Fi 6が主流です。おすすめは安すぎないWi-Fi 6対応のルーターです。
LANケーブルを買い替える
古いLANケーブルを使っている場合には、LANケーブルを買い替えるだけでインターネットの通信速度が改善することがあります。
ゲーマーでない限り、インターネットを管理するプロバイダーからレンタルするWi-Fiルーターと一緒に同梱されているLANケーブルを使っていると思います。しかしWi-Fiルーターが古いと、同じくLANケーブルの規格も古いので、Wi-Fiルーターだけ買い替えても、有線接続している通信機器のインターネット通信速度が改善されない可能性があります。
光回線ご利用の方にちょうどいいLANケーブルの規格はCAT.6A(6e)と記載されているLANケーブルです。CAT.7、CAT.7Aと記載されているLANケーブルでもオッケー。
- CAT.6:1Gbps / 2.5車線
- CAT.6A(6e):10Gbps / 5車線
- CAT.7:10Gbps / 6車線
- CAT.7A:10Gbps / 10車線
数字が大きいほど高速通信可能なLANケーブルです。また無印よりもAと記載あるLANケーブルの方が高速通信可能です。CAT.6A(6e)、CAT.7、CAT.7Aの3種類は、光回線10Gbpsと同じ10Gbpsの高速通信を可能とします。3種類とも10Gbps。
高速道路でいう最高速度が10GbpsのLANケーブルが3種類もある理由ですが、それは車線の数の違いです。高速道路に例えた場合、CAT.6A(6e)が5車線、CAT.7が6車線、CAT.7Aが10車線です。つまりCAT.6A(6e)よりもCAT.7、CAT.7よりもCAT.7Aの方が渋滞しにくい仕様です。
古いLANケーブルを使っている人は、車線数たった2.5車線でPCやテレビのデータ通信を有線でやり取りすることになるので渋滞しがち。つまりインターネット通信の速度低下の原因がLANケーブルの可能性もあり得るのです。
無線から有線接続に変える
LANケーブルが古くないのであれば、ワイヤレス接続(Wi-Fi接続)から有線接続(LANケーブル接続)に切り替えるだけで、インターネットの通信速度が改善することがあります。
ワイヤレス接続の欠点は通信速度が安定しないところです。電波干渉はもちろん、Wi-Fi接続するスマホなどの通信デバイスが増えれば増えるほど、データのやり取りの順番を取り合うことになるので、通信速度が安定しないのです。
一方有線接続(LANケーブル接続)可能な通信デバイスは限定的です。PC、テレビ、セットトップボックスなど、比較的大きな通信デバイスとしか接続できません。つまり有線接続するデバイスが増えにくいのです。しかも物理的に接続する方法なので、ワイヤレスと違って電波の干渉を受けにくいというメリットもあります。
中継器を購入する
Wi-Fiエリアを広げることのできる中継器を設置することで、インターネットのワイヤレス通信速度が改善することがあります。
Wi-Fiルーターを家の中央付近に設置できない場合はもちろん、寝室や浴室、トイレなどの電波が届きにくい場所までしっかし電波を届けることが可能となります。
Wi-Fiの電波は壁や家具などの障害物により徐々に弱くなってしまいます。そのためWi-Fiルーターを1階に設置すると2階で使えなくなるといった問題が発生します。そこで、中間地点に中継器を設置することで、中継器に届いた電波を強化して、隅々まで電波を届けることが可能になるのです。
中継器はWi-Fiルーターよりも小さく、直接電源に接続できるタイプの製品も多いのでとっても気軽かつ便利です。また、Wi-Fi接続する通信デバイスをWi-Fiルーターと中継器とに分散できるので、混雑しにくく、その点においても通信速度の低下を防げます。
PCやスマホを高性能な製品に買い替える
通信機器ではなく、データ処理を行っているPCやスマホなどのデバイスの性能を高い製品に変えると、DNS設定の変更を行うことで、インターネットの通信速度が改善することがあります。通信機器側に問題がないのであれば、PCやスマホ側の問題が疑われることになります。
通信機器から受け取ったデータを、画面に映像としてつくりだしている役割を担っているのが、PCやスマホに内蔵されるCPU・GPUになります。性能が低いと映像の描画が遅くなるので、インターネット通信の速度が遅くなったように感じます。
またPCやスマホは、見えないだけで同時に様々な演算処理を同時進行しています。どれだけのデータ処理を同時に処理できるのか、メモリの数値により変わってきます。
メモリはキッチンのようなイメージ。大きいメモリであれば大人数で調理できますが、小さいキッチンだと1人など少人数でしか調理できないので、データの演算処理が遅延します。つまりメモリの数値が大きいPC・スマホの方が、インターネット通信の速度が遅くなったような不具合がおこりにくくなります。
PC | スマホ | |
メモリ | 〇動画鑑賞する程度 ・8GB以上 〇3Dゲームもしたい ・16GB以上 | 〇動画鑑賞する程度 ・8GB以上 〇3Dゲームもしたい ・16GB以上 ・iPhone |
CPU SoC | 〇動画鑑賞する程度 ・Intel Core i5 または 7 ・AMD Ryzen 5 または 7 〇3Dゲームもしたい ・Intel Core i 7 または 9 ・AMD Ryzen 7 または 9 ※できる限り最新世代がおすすめ | 〇動画鑑賞する程度 ・Snapdragon 6 or 600 シリーズ ・Snapdragon 7 or 700 シリーズ 〇3Dゲームもしたい ・Snapdragon 7 or 700 シリーズ ・Snapdragon 8 or 800 シリーズ ・iPhone ※できる限り最新世代がおすすめ |
おすすめのPCとスマホの性能は上の表のとおりです。iPhoneだけはメモリもSoCも公式には公表していませんが、3Dゲームも快適にプレイできるほどの高性能なので問題ありません。
インターネット回線を乗り換える
通信設備の改善、通信デバイスの買い替えを行っても通信速度が改善されない場合には、インターネット回線そのものを乗り換える必要があると思います。
ただし、ポケットWi-Fiやホームルーターを利用していた人は、通信設備の改善、通信デバイスの買い替えをするまでもなく、インターネット回線が原因で、通信速度が遅い可能性が高いことに注意してください。光回線に変えるだけで通信速度が格段に上昇します。
光回線 | 工事が必要だが 通信速度高速&安定 |
ホームルーター | 工事不要で手軽だが 通信速度が不安定 ※自宅据え置き型のWi-Fiルーター |
ポケットWi-Fi | 工事不要で手軽だが 通信速度が不安定 ※持ち運び便利な外出向けポケットWi-Fiルーター |
※利用者が少ない無名企業の光回線をご利用の場合には、通信速度が遅い場合もあります。